タイニー・プリティ・シングス あらすじネタバレ、感想と好き嫌い
Tiny Pretty Things。2020年12月14日から配信されているネットフリックスオリジナルドラマ。原作はティーン向けの小説だそうで。
現時点ではシーズン1の配信のみだが、最終話の様子からは続きもきっと出るはず。
原作・制作はマイケル・マクレナン。
あらすじ:
シカゴの名門バレエ校でスターの転落事故が起きる。ネヴェーアはその火消しのために一度落ちたテストで追加合格という形に。はじめは授業にも周囲にも馴染めないでいるネヴェーアだが、段々と言葉を交わすうちにそれぞれの思惑が交錯しながらも互いにの仲を深めていく。
パトロンの支援が打ち切られたこと、オーレンと寮の規則を破ったことから二人まとめて退学になる予定(だが校長の地位も危ういので今後どうなるかは不明。これからもっと物語に絡んでくるのが学校のスターだったキャシー、学校に関わる大人たちのそれぞれの事情であることなどから舞台がアーチャー校から変わることはないのではないかと予想)。
キャシーの転落事故に犯人がいるのではないか、と捜査する警察の動きと、公演に向けての生徒たちの役の取り合い、「芸術にはお金がかかる」と学校経営をやっていく大人の事情などがパラレルに進む。
感想:
・まず全員自分のことしか考えてなさすぎ
ベット(=エリザベス)はわかりやすくそう。利己的すぎてバレエ学校以外だとマジでやっていけなさそうな気質になっているが、母親の期待に応えたい(そうしないと見放される)という危機感からくる彼女の行動は痛々しいものがある。
ジューンは良くも悪くも素直。だが母親に立ち向かい最終的には(ベットの逮捕のためだが)ソロを踊ることになり、タフさを発揮。
ネヴェーアも正義のために立ち向かう! みたいな態度でいながら自分がバレエ界から追放されそうな脅しを校長からかけられるとタレコミ先のジャーナリストに記事の発表をやめてくれと言い出したり、まあでも他人の受けた被害がベースの正義感なんて所詮そんなもんか……とは思うが覚悟が決まってないなあという印象。
・女生徒間の感情の対立と調和がよくわからん
「スタジオでは容赦しないけど、それ以外の場所では仲間だから」というようなことをベットが言うが、役を奪い取るためにジューンを屋上に締め出すよう細工したお前がそれ言うか? などと突っ込みどころが多い。
バレエ界ではそういう役の奪い合いにまつわる感情とそれ以外の場所(バレエ以外での私生活面)の交錯は当たり前なのか? 全然わからん。
・生徒間の恋愛感情の推移が滅茶苦茶すぎてよくわからん
キャシーが寝てる間にナビルとネヴェーアがキスし出したり、ベットと別れたあとのオーレンがネヴェーアにキスしたり、ジューンが酔ってナビルにキスしたり、これ最終的にどう収めたいの? という行ったり来たりが多い。
・オーレンとネヴェーアの関係発展の描写、雑すぎんか? なんでそうなった
ケイレブとナビル(ケイレブははじめ同室のナビルの一挙手一投足が気に入らずしょっちゅう突っかかる)の関係の発展(仲間として認め合い協力体制になる)のほうがうまく描かれてて、えっ仮にもネヴェーアって主人公枠じゃないんですか……という置いてけぼりな気持ち
・情緒不安定キャラ
メンズ部門ではシェーン、レディース部門ではベットが十代らしい情緒不安定さをよく出しているなと思いました。
・ラモン・コスタ、性病のハブになってそう
コスタ、大人数と関係持ちすぎ。ディリア、マダムあたりはまあわかるがキャシー(未成年)とかブルックス先生とか節操なさすぎでは? ジューンの母親とも関係を示唆されるシーンがあって本当に見境ない。
だからこその「性病のハブになってそう」だが、これは感染症対策に敏感になった2020年だからこそ出てきた感想かもしれない。
個人的にいちばん嫌いなキャラだから10話の流れでこのまま退場してほしい。
・ネットフリックスオリジナルは良質な作品が多いな! と思っていたがこれに関してはそんなに面白くなかったかな
ダンスシーンは洗練されていて素晴らしいと思う。経験はないのでどれくらい上手いのかわからないが、素人目には十分すぎるほどダンスが上手い。
・オーレンを摂食障害傾向のキャラとして配置したのが新鮮だった
「摂食障害」というと女性がなりがち、と思われるだろうが、ダンサーとして生きていく上ではその強迫的な感覚に男女はあまり関係ないのだろうか。
・ストーリーやフォーカスするものについてもっとターゲットを絞ってほしかった
キャシーの件と、ネヴェーアの生活、の二点くらいでちょうどいいと思うんだけど、詰め込みすぎであんまり深まってない部分が多い印象。
・無駄に性交シーンが多い
何? 監督の趣味?
そんなことに時間割いてないでもっとそれぞれの人間関係を深堀りしてほしい。